BLACK ESCAPE

Roppongi Express所属 / 強豪選手たちに囲まれもがき苦しむ日々をブログに

フラグシップとの狭間で

自転車の機材はお金さえ払えばいくらでも良いものにアップグレード出来る。チェーンやタイヤに始まりコンポやハンドルにサドル。果てはエンドワッシャーやクイックレバー等の細部まで。

とにかく実力うんぬんに関係なくプロと全く同じ機材を使えるし、体重100kgを超軽量の最高級機材で運んでいく事も容易だ。その機材の代名詞にあたるのがフレーム。様々なブランドから輩出される技術の結集は自転車にハマった人なら誰もが辿り着くであろう終着駅。

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現状乗っているフレームは完成車30万円を下回るミドルグレード。お金さえ払えればいつでもフラグシップに乗れると知りながら今だにミドルグレードに乗っている。理由はたった1つで「今のフレームで初勝利を勝ち取るまでは買わない」と決めていたから。ロードバイクはあくまで趣味の世界だしこういった事に固執する必要は全く無いのだけど、以下のエントリーでも書いた様に中級(初級?)レベルの自分にとって機材はあくまで補助的な立ち位置だと思っているし、それよりも自分自身のエンジンが肝心だという考えは今も変わらない。

ただ、物欲という観点以外の部分で今はフラグシップの狭間にいる。買うのは簡単。今からショップ行けば10分後には手に入る。しかしその決断の寸前でいつも足が止まる。理由はさっきと同じ、今のフレームで初勝利を勝ち取るまでは買わないと心に決めていたから。

2018年の沖縄を一人で戦う事が決まってから色々な事を考え始めている。トレーニングしかり、日常的な変化しかり、その他の機材面しかり。その中で自分が最も苦手とする山登りで少しでもプラスに働くとすればダイエットに次いで今のミドルグレードフレームをさらに軽くする事が選択肢の一つとして真っ先に思い浮かんでしまう。フレーム変更による重量差はなんて自転車に乗らない一般的な感覚からすればどっちでも良い様な誤差に違いないが、自転車競技者においてその違いはやはり大きく映る。

今年は去年の様にチームメンバーのクニが一緒に走っているという精神的支柱は無くなくなり、自分自身であらゆる展開に対応していけなければレースには参加できないのが明らかで、ロードレースにおける戦略面での弱さも否めないから心の拠り所が自然と機材に向いていく。もちろんフレーム自体が劇的な変化を生まない事は分かっていて、あくまで自分自身の能力が9割を決める世界の中で、残りの1割をどう改善していくかという判断。

これまで何度か物欲に負けて買おうかと思ったけど、フラグシップに似合わない実力の自分がフラグシップに乗る権利はあるのかと常に自問自答が始まる。客観的に見ると相当くだらない状況なので僕が周囲の人間ならさっさと買えと言うだろう。そして自分でも無意味に悩んでるなら時間の無駄なのでさっさと買えと思っている。いや、実際には思えていないから未だに悩んでいるのか。買うとすれば乗り込み期間を含めて今月前半には判断をしないと間に合わない。真新しい機材でいきなりレースデビューはあり得ないしそもそもトレーニングで乗っていないフレームをレースで活かせる訳も無いし。

今のフレームには並々ならぬ愛着があるので今年も沖縄で一緒に戦いたい気持ち50%。能力以外の1割でやれる事をやったうえで沖縄に挑みたい気持ち50%。どちらの選択肢も正解。
さて、どうしよう。

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