BLACK ESCAPE

Roppongi Express所属 / 強豪選手たちに囲まれもがき苦しむ日々をブログに

ハツカネズミ練

チームのメッセージグループでケイデンスの話が出て、自分のあまりにも低いケイデンスが露呈される事となった。まあ随分前から知ってはいたのだけど、どうも自分はトルク型の方が合っている傾向にあって、俗に言う「心拍をいじめるか」「大腿四頭筋をいじめるか」の2択になった際は後者を選ぶ傾向にある。

昔から有酸素運動が非常に嫌いで今もそれは変わらないから、出来るだけ心拍数を抑えて走らないと早い段階で限界を迎える事をチーム朝練で散々思い知らされた。その名残もあって未だにトルクで踏んでいる方が楽に感じ、トレーニング中の平均時速も速くなる。一言で言えば回転数でパワーが稼げない。

レースになるとそれが露骨に出るわけで、参考までに直近のレースデータを見ると

ツール・ド・宮古島
1:54'23 73.8km 1,282KJ 142TSS Ave.38.9km/h Ave.187w NP230w
Ave.66.3rpm

もてぎ 2時間ソロ
2:05'30 81.1km 1,604KJ 184TSS Ave.39.0km/h Ave.210w NP247w
Ave.68.6rpm

と、ほぼフラットの公道レースとして有名な宮古島で66.3rpm、もてぎでも70rpmにすら届いておらず。ゴールまで先頭集団にいた選手のブログに載っていたデータはAve.94rpmとかだったので単純な比較でも30rpmほど低い。

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去年、3ヶ月だけと決めてひたすらケイデンスの改善を試みた事があったけど、いつまで経っても回転数でパワーが出せないうえ低速なのに異常に疲れる状態が続くのでスパッと諦めた。

そんな中でまこっちさんに「ハツカネズミのごとく回し続ける練なんかどう?(笑)」と言われたのでそういった練習も久々だし、その日のトレーニングで素直にやってみる事に。コースはいつものメインコースで、家を出た瞬間から戻ってくるまで漕いでいる間はひたすら100rpmを目標に。ちなみに普段は75〜85rpmくらいなのでだいたい+20rpmか。

案の定すぐ疲れる。その反面でパワーは出ずスピードも遅い。懐かしいなこの感じ、と思いながら30km程の地点で吐き気をもよおす。どんだけ高回転が苦手なのか。普段は取らない余計な小休憩を挟んで帰路も頑張り、最後は死に体で帰宅。平均パワーも平均時速もタイムもTSSも何もかもがマイナスなのに疲労感は1.5倍。分かってはいたけどだいぶ苦手だ。

なんだかんだ「回転数を回せれば回せるほど良い」という事はずいぶん前から頭の中で分かっている。たとえレース中の回転数が低かったとしてもそこは大きな問題ではなく、一番のメリットは「レース中に使える回転数の幅が広い」という部分。回し方に幅が出来ればそれは色々と武器になるわけで、疲労の削減だったり余計なインターバルの削減だったり速度増減の削減だったりそのメリットは計り知れない。
頭の中では分かっているけど実現が難しい。
そしてそれがもどかしい。

最後は宮古島でのレース以来初のまともなスプリントで〆。

ただトルクかけたくなっただけの気もするけど20日振りにしてはMaxの90%くらいは出ているので思ったよりは良かった。けど一瞬頭の中で落車シーンがよぎってしまい全開で踏めたとは言い難い。トラウマになっている訳では全くないので、これは練習で繰り返して早く忘れるのみ。

出来ない出来ないと嘆いていても仕方ないので高回転はまた継続してやってみよう。頭の中でメリットが多いと分かっている以上、少しでも改善に向けた取り組みはしていかないといけないし。何しろVengeという車体が「ほら、もっと足回さないと俺様が活かせないぞ?」とばかりに進むので困っている。

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クランク交換 + 尾根幹

FC-9000のクランクをVengeに移植してからTarmac側のパワーメーターが無くなってしまい、どうせならもう一つ買うかと注文していたパワーメーターが到着。これまで2年半以上使っているFC-9000をTarmacへ付け戻し、新たに購入したFC-R9100をVengeへ搭載。黒いフレームには黒いクランクがよく似合う。こちらはペダリングモニターもSGY-PM930Hになったので必然的に最新仕様となった。どちらも170mm 52-36Tの組み合わせ。今後は53-39Tも試してみたいのでチェーンリングだけ追加で買おうか検討中。

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本当はバーテープのシルバーを際立たせる為、全体がブラック基調となる様にグレーカバーが良いのだけど、残念ながらPM930Hにはグレーが無いので仕方なく赤のままにしている。バーテープを黒系にして赤をポイントカラーとして引き立たせるか、妥協してカバーをホワイトにするか。うーん、悩ましい。

足の方は落車当初に比べればだいぶ回復。平日は50km程を目安に外へ繰り出して走る様になったがひとつ問題が発生。まだキズパワーパッドが手放せない箇所に肘とスネがあるのだけど、このキズパワーパッド、シャワーが浴びれる様になった程外側からの耐水は完璧なんだけど内側から発生する汗をどうしたら良いかが不明。

この時期に外を走れば自然と汗をかくわけで、なんせパッドの内側から汗が滲み出てくるもんだから防ぎようもなくてさてどうしたもんか。真夏よりはマシだけど傷口に汗は中々辛いものがある。まあガマン出来るレベルではあるけど、さすがに大量の汗をかくローラーは怖くて未だ乗れず。

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昨日はリカバリーライドで尾根幹へ。
尾根幹 / 1:53'33 51.9km 1,028KJ 110TSS Ave.151w NP202w

坂道の様に強制的な負荷がかからないどフラットな多摩川CRばかりを走る生活にも飽きたので変化を求めて。完全なリハビリペースで淡々と走るのみだけど自転車に乗れる事自体ががまずは楽しいのでその辺りは何でも良し。最初は地獄だったけど落車して分かった事もいくつかあったので、今回の落車は結果的に良い勉強になったなと今は思う。また同じ経験をしたいかと聞かれればもちろん答えはNOだけど。

20日間で拷問のごとく下がり続けたCTLもまた積み重ねていかなければ。沖縄まで約150日。仕切り直しとしてはちょうど良いタイミングか。

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海外で人気のYouTubeチャンネル「GCN」が日本向けの動画配信を開始したらしい。日本向けの新たなコンテンツが楽しみでもある反面、これまでのGCN動画に字幕を付けて配信してくれた方が嬉しいなと思ったり。

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14日ぶりの景色

宮古島での落車から今日で丸二週間。
おかげさまで日々快方に向かっており、最初は全体で30枚以上張り巡らせていたキズパワーパッドも25枚、22枚、18枚、15枚、10枚、そして7枚へと減ってきた。痛みに苦しんだ10日間から、今度は痒みと戦う日々に変化。これはこれで辛いが傷口が徐々に治っている証拠だろうと思えば耐えられる。
今朝の状態はこんな感じで、見た目はまだ酷いがこれでも当初とは比べ物にならない程良くなった。

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今日は嬉しい事が1つ。これまでは間違っても水が垂れてこない様に傷の多い右側を浴槽に上げながら左斜めな形でシャワーを浴びていたのだが、昨日のパッド交換である程度傷口全体に膜(皮膚)が張っている事を確認。これなら大丈夫だろうと思い切ってそのままシャワーを浴びてみたら問題なく浴びることが出来た。日々の風呂はある意味戦いの場の一つであったが、今日からは「直立でシャワーを浴びれる」というごく普通の幸せを噛み締められる様に。

しかしながらこの二週間は未だまともに自転車のトレーニングが出来ていない。ひざ下の最もひどい部分がまだまだ完治できず、自転車を漕ぐと血流が良くなるせいなのか汗が出るからなのか足のズキズキとした痛みが強烈で大変だった。なので汗のかきづらい涼しい夜に、ランニングシューズで簡単なサイクリングをするのみに留まっている。日々5〜10TSS。CTLの下がり具合を見てドン引きした。

その反面で日常の歩行困難レベルな痛みは完全に治り、不自由な部分はほとんどなくなってくれた。痒みと戦うのは辛いが痛みと戦うよりは遥かにマシだ。宮古島以来にキクともバカ飲みしてみたがこれも問題なかった。飲み続けている際は多少傷口が張って浮腫んでくるが翌日には全て回復。ここまで来れば完治は時間の問題だろう。それより問題なのはあちこちで日々増していく自分とキクのゲイ疑惑か。最近そのネタを自分たちでイジリすぎて歯止めが効かなくなってきた。面白いから良いけど。
とはいえ何不自由ない普通の生活がどんなに素晴らしい事かを痛感する日々。これはいい経験だな。

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日々何かしらのレース動画を見ながらモチベーション維持。
あいにく次のレースまでは約一ヶ月あるのでそれまでには完全に回復出来ているだろうと思う。が、次のレースがつくば100kmなので割と高速レースの場となるのが懸念。あの落車の瞬間が脳裏をよぎって来なければ良いのだけど、、、来週はチームメイトも出る川崎エンデューロがあるので(落車の記憶の)リハビリがてら会場まで自走で応援に行ってみようかな。誕生日だけど。

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と、午前の仕事合間にここまでのブログを書いた後の午後。傷口も膜が張ってるしそろそろ外走れそうかな?と思い久々に正装で外へ出てみた。

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足の様子を見ながら、恐る恐るのサイクリングレベルではあるものの40km 65TSSほどを走り切る。所々で600w位まで踏み込んでみたりしながら多摩CRを進み、メインとしているトレーニングコースの入り口まで足を伸ばして14日ぶりにその景色とご対面。この感動たるや。全開走はまだ難しくても、とりあえずまた自転車に跨る日々に戻って来れたという事実が非常に嬉しい。

短い様で長かった二週間。また頑張るぞ。

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