BLACK ESCAPE

Roppongi Express所属 / 強豪選手たちに囲まれもがき苦しむ日々をブログに

S-works Tarmac SL6(2019)ファーストインプレッション

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ショップに預けてから数日、新しいフレームを身にまとってフラグシップへと進化した愛車が帰ってきた。早速サドルに跨りシェイクダウン兼ねて外に繰り出す。自身初のフラグシップに高揚しながらも可能な限り気負う事なく、普段と同じ様に走る事を意識してトレーニングへ。

購入したのはS-works Tarmc SL6。これまでTarmac Sports 2016 → Tarmac Comp 2017と同シリーズ内で中途半端すぎるグレードアップを経て現フレームに至った。今回も他メーカーからの乗り換えではなく純粋な上位互換。これまで乗っていたミドルグレードと比較したフラグシップの違いを中心に、SL6のインプレが既に多くのブログで書かれている中でも個人の感想として残しておく事に。

機材構成と重量差

今回の「重量」としている基準はレース仕様からボトルのみを省いた重量。なのでボトルゲージやサイコン、果てはナカガワエンドワッシャーまで装着している状態での計測となり、純粋な「完成車重量」とは少し異なる。

パーツを省略して軽量数値を打ち出すのは簡単だけど、それよりもレース仕様での数値が比較対象としては大事かなと。6.8kgを下回ってしまうと実業団に加えてツール・ド・おきなわでも違反車両となってしまうし。(検査は無くても規定に書いてあるので一応守らねば)
最終的な機材構成と計測結果は以下の通り。

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フレーム交換と同時にハンドル・ペダル・キャリパーの3点(計-234g)も変更を加えてトータル600gの軽量化。フレーム単体では約370g。SL6はまだポジション出しの最中なのでコラムを15mm余分に残してあり、これをカットしたらもう少しだけ軽量に。一般的な感覚で言えば数百グラムは感じ取る事が難しいほどわずかな差でしか無いけど、7.0kgを下回る自転車に乗るのも初な自分としては車体を持ち上げるだけでだいぶ軽い。

ファーストインプレッション

今年だけでも80回以上走っているルートを交えながら、アップダウン基調のコースで走行距離は約120km。長文回避のため、一言コメントだけを添えて以下の表に。

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プラシーボ効果があるという前提で考えても相対的な評価は高い。同じTarmacシリーズでのグレードアップというだけあって細かな違いも色々と感じ得る事が出来た。良くも悪くも大きな特徴は無いが非常に万能で、特に剛性アップによるパワーロスの軽減は如実に感じる。これまでのミドルグレードも自分にとっては十分なフレームで乗り心地抜群だったけど、やはりフラグシップはそれを凌駕してくる。

ホイールの選択

スペシャの純正ホイールに位置するRoval、発売直後から一気にその性能を評価されたMavic コスミックプロカーボン SL UST、所有者も多く万能ホイールとして人気のBORAなどTarmacがオールラウンダーフレームな事もあり様々な組み合わせを街中でもレース会場でも見る。

今はRoval CLX50をチューブレス化させて使用しているけど、それが正解とも思わないし不正解だとも思っていない。ここはかなり個人差が出る部分でもあり永久課題に位置する部分となるのでどこかで自分の納得いく落とし所を見つけるしか無い。仮に今のホイール(1,370g)より軽量なものを履けば確実に6.8kgを下回ってしまう。

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少し前にチューブレス化させたRovalは非常に満足している。これまでのフレームに加えて今回のSL6ではさらに高速域の維持性能を感じる事が出来たし、DT SWISSのハブもかなり優秀な部類だと思う。なお、今回のフレームを完成車で買うともれなくRovalも装着済み。

AeroflyⅡ

フレーム評価とは別に、今回唯一の不満点。このハンドルは前作のAerofly(Ⅱが付かない)から気に入って使用していたが今回AeroflyⅡへ変更。多少の軽量化はされたが代わりにフラット部分の感触が非常に悪くなってしまった。

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一見持ちやすそうな形状に進化しているものの、分厚くなり滑らかな曲線がなくなった影響で手に感じる反発が強くなった。これを解消するにはハンドルを少し上向きにすれば良いのだけど、そうするとエアロでも何でもなく、むしろ空気抵抗増加に繋がるのでその選択は好ましくない。個人的にはもう少し様子を見ながら、前作のハンドルに戻す事も検討している。

総評

長距離・ヒルクライムダウンヒルに関しての評価はまだそこまで走れていないので今後追記していく予定。初回のシェイクダウン時を基にしたファーストインプレッションの段階では非常に満足しており、特に大きな不満点を持つ箇所は無かった。よく比べられているDOGMAやMADONEとの比較は自分に出来ないので他製品との違いは分からないけれど、Tarmac単体で考えた場合であれば十分な優秀機材で、少なくとも世界選手権で勝てるフレームと証明されている以上あとは乗り手の問題だ。

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今回、本当は同じSpecializedの新型Vengeも狙っていた。全てのモデルがディスク採用だったので最後は諦めてしまったが周囲では非常に評判が良い。ディスク仕様で無ければもしかしたら自分もVengeに乗っていたかもしれないけど、今回の選択に後悔が生まれない程にTarmacも良かったので総合的にも満足。後は日々乗りこなしていって、残りのヒルクライムなどの感触も探っていこう。

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