BLACK ESCAPE

Roppongi Express所属 / 強豪選手たちに囲まれもがき苦しむ日々をブログに

連載企画 #01:先頭集団でオイ!と怒られない走り方(前編)

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※この記事は、以下のブログ内容をもとに書いています。執筆量のキャパオーバーになりそうだったので一旦非公開にしましたが、改めて真面目なものから気楽なものまで、緩くお待ちしています。

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というわけで早速Vol.01を形に。
同級生の馬場から根強い要望としてあった「先頭集団でオイ!と怒られない走り方」について。この内容について書く時にどういったまとめ方をしようか悩んでいたんだけど、結局「実際のレースで怒りそうになった or 実際誰かに怒られていた」という実在したケースをモデルにした方が良いかなと。

自分も綺麗な走り方を出来ている訳ではないので自戒も込めつつ、少しでもレース場で過ごす時間が安全なものになれば。それより長文になりすぎて前編・後編という形になってしまった。

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①:基本的な立ち位置はどこを選ぶべきか

かなり大雑把に書くと、集団は
A)先頭〜10番手は積極的にローテへ加わる選手
B)11〜30番手は展開の様子見か温存している選手
C)31番手〜は周回遅れなどの着に絡まない選手
の様な形で成り立っている事が多い。スタート直後はごちゃまぜなので全く上記に当てはまらないけど、中盤から終盤は(非常に安易な書き方だけど)だいたいこんな構成になっていると思っている。

(A)の選手たちは「危険回避+展開を作りたい+展開に参加したい」、(B)は「危険回避+展開に参加したい」、(C)は「出来るだけ先頭集団に食いつきたい」といった感じだろうか。

例えば目的が「出来るだけ先頭集団に食いつきたい」という(C)の選手が(A)に入ってくると間違いなく怒られる確率は上がる。(A)の選手達からすれば他の選手の足を削ろうと細かく動いているのに、(C)の選手が入る事でスピードが落ちたりローテの精度が落ちたりして邪魔だと感じてしまうから。同時に(C)の選手が頑張り始めると余裕が無くなり、心拍が上がって余計にフラフラし始めるのでそれもまた怒られる原因となる。

集団構成はもっと細かく細分化できるけど、それぞれの立ち位置を大雑把に把握して、自分が(A)(B)(C)のどれに入るかを考えれば自然と過ごす場所は決まるのではないかと思う。すでに周回遅れなのに先頭集団のゴールスプリントや勝負を動かす場面に入る、というのは絶対禁止。

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②:先頭集団に合流したいなら

すでに周回遅れだけど後ろからやってくる集団に乗りたい。エンデューロなどの周回コースではそんな時もあるだろう。普段よりも高い強度で速く走れる。それがレースの醍醐味でもある。
そんな時にどう集団へ合流するか。

これは自分の実体験、というか実際に注意したケースで会場はもてぎサーキットだったかな。先頭集団20名程でゴールまで残り6km地点。ここで周回遅れの選手が「斜め前」から「横にズレて」集団に入ろうとして来た。ここがその選手に注意した瞬間。

分かりやすく例えると、自転車の集団に対して歩行者が横から混ざろうとしている状態。速度差が違う中で横から入られたらどうなるか。そう、追突する事になる。トレーニング中に横から車が出てくる様なもの、と例えた方が分かりやすいだろうか。

なので大きな集団に混じる時は最後尾に入るのが◎。慣れた選手はスピードを合わせながら集団と並走、その後自然と入ってくるものだけど、まだ集団速度に不慣れなうちは必ず一番後ろから。誰かに怒鳴られたいドMな人か、弾き飛ばされて落車したい超ドMな人は別だけど。

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③:ローテに加わる意思がない時は

怒られる原因となるTOP3のうちの1つ。前述の①で大雑把な構成を書いたけど、それで例えると(A)の選手の合間に入っているのにローテーションへ全く加わらない人は高い頻度で怒られる。中途半端な位置にいて、中途半端な場所(前から10番手以内など)でローテーションを拒否すれば集団の速度は乱され全体がギクシャクするので隊列も安定しない。

もしローテーションに加わる意思がないか、加わりたいけど加わる体力が無い場合は(B)の後方か(C)の位置で大人しくしているのが無難。チームの誰かが逃げていて、ローテーションを少しでもペースダウンさせたい場合なんかは戦略的な動きとして扱われるけど、それ以外の場面で中途半端なローテーション拒否を繰り返していたら必ず怒られます。

ローテに入るなら入る。
入らないなら後方へ。

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④:過度な踏み込みと過度なスピードダウン

集団の先頭で自分にローテーションが回って来た際、一生懸命頑張るがゆえに踏み過ぎてしまう選手と、頑張っているけど出力が足りなくて自然とスピードダウンを起こしてしまう選手の2パターンがいる。この行動単体で怒られているのはあまり見た事が無いけれど、これを繰り返し続けているときっと怒られてしまうだろう。

自分の場合、前者の番手にいた場合は基本的に無視(悪い意味ではない)をする。前の選手が踏み過ぎてるなと思ったら自分はそれに合わせず、それまでのペースを維持して次の人へ回す様に。アタックは別としてこういった自然現象の踏み込みに付いていくと無駄足を使うだけになる、というのがその理由。

反対に後者の「頑張っているけど出力が足りなくて自然とスピードダウンを起こしてしまう選手」も単体で怒られる事はほぼ無い。しかし「逃げが発生している時」にそれを繰り返すとまた話は変わってくる。逃げとのタイム差を不必要に広げる要因となってしまうので集団全体にとって悪影響になってしまうから。

なお、これも前述の「③:ローテに加わる意思がない時は」で書いた様に「チームの誰かが逃げていて、ローテーションを少しでもペースダウンさせたい場合」なんかは戦略的な動きとして扱われるのでその場合は怒られない。自転車競技って難しい。

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⑤:誰かの間に入りたい

これは非常に基本的な事なので簡単。
誰かと誰かの間に入りたい時は手で「入ります」「入れてください」という意思を示せばたいてい入れてくれる。よほど危ない走りをしてたり、ゴール前に向けたポジション争いが無い限りは。

ただ、たまにいるのが急に入ってくる割り込み系で、実体験でいえば去年の袖ヶ浦でこれを多発する選手がいたので途中から近寄らない様にしていた。何の合図もなく、そこまで車間に余裕があるわけでもないのに急な横ズレで入ってくるので後ろの選手からすれば危なくて仕方がない。

これは落車発生原因のTOP3にも入るであろう行為なので怒られる確率もグッと上がる。ちなみにこの袖ヶ浦の選手は相当ひんしゅくをかっていた。ついでにマトリックスの選手にヒットして危うく集団落手になる一歩手前にもなった。

間に入りたい時はその意思を示すだけ。
それだけで皆んな譲ってくれます。

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ここまで書いてやっと半分。。。
というわけで超長文になってしまったので前編と後編に分ける事にしました。後編はまだ書いてる途中なのでまとまったタイミングで公開します。後編公開までの間に「こういう場合は怒られる?」という様なものがあればご連絡ください。後編に付け加えて書いてみようと思います。

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