BLACK ESCAPE

Roppongi Express所属 / 強豪選手たちに囲まれもがき苦しむ日々をブログに

レース中の「らしい」

レースレポートなんかでよく使われる「◯人の逃げが出来ているらしい」という表現。一見なんの代わり映えもないこの言葉が実はレース中の重要な鍵を握っている事が多い。

・◯名の逃げが出来ている
・◯名の逃げが出来ているらしい
文字にすればただ「らしい」という単語が付いただけの全く同じ内容だけど、「らしい」が付いていない場合は逃げ発生のタイミングから自分できちんと把握出来ているという事。その反面で「らしい」が付くという事は逃げそのものについて気付いていなかったという事になる。

要はたまたま逃げに気付いたから良かったものの、そのまま気付かぬ状況だったら必然的に勝利も無いという危険な状況。レース中においてはこの認識の誤差が致命的に。

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RXに入りまこっちさんや福田さん、高岡さんから真っ先に教わったのは「レース中は集団の前方にいろ」というものだった。この意味は大きく3つ。
①落車リスクの回避
②インターバルの回避
③展開認識不足の回避

最初の①と②は文面通り。まあ③も文面通りだけど、①は集団の後方、要は前に人がいればいる程落車に巻き込まれる確率が高くなるのでそのリスクを最小限に止める為。②は集団後方にいる事で起きる過度のインターバルで足が削られる事を避ける為。そして最後の③はアタックや逃げメンバーなどを把握できず対処が遅れる事を避ける為。

半年前の筑波でのレース中、チームメイト(ヤマケンさん&タカミ)が逃げている時に「なぜローテに入らないのか」と怒られた時があった。先月の袖ヶ浦でもなぜ追わないのかと苦言を受ける。

怒られたとか苦言を受けたのがどうこうではなく、その選手が発する言葉は何人が逃げているのか、誰が逃げているのか、そもそも逃げがいるのかを把握出来ていない事を意味している。逃げを送り込んでいるこちらのチームとしては大変ありがたい状況である事は明白。気付いていない人が多ければ多い程逃げ切りの可能性は高くなるから。

その反面で自分のレースで自分がその選手と同じ状況になったら最悪。正確に言えばその最悪という状況にすら気付かないという事だけど、「逃げが出来ている」「そこに何人いる」「そこに誰がいる」というのは少なからず把握しないとダメで、それが出来なければ勝ち逃げに乗る事はもちろん自分でレースを作っていく事も難しい。

結果的に全てが他人任せになるので逃げの吸収もそこまでの過程も基本的に他人(運)任せ。こうなると勝利を引き寄せるのもまた他人(運)任せになってしまう。

何度も優勝している様な強い選手達はこういった戦況を必ず見ている。タイム差が離れすぎた逃げは自ら潰しにかかるし、決定的な勝ち逃げには確実に乗るし、戦況を常に把握出来ているから誰と強調すべきかもきちんと分かっている。だから勝率も高いうえに「たまたま勝てた」という事が少ない。「勝つべくして勝った」内容のレポートになる。

自分のレポートを振り返るとその辺がまだまだ。これまでも意識はしていたけど、今後も毎レースで出来る限り「集団前方を走り展開を常に把握する意識を持つ」という事は繰り返していきたい。その辺りはやはり実戦でしか学べない部分だろうし。

頭では分かっていても現実は足が残っていないとか心拍がやばいとか色んな要素が混ざってくるので中々思うようにはいかないけども、

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