BLACK ESCAPE

Roppongi Express所属 / 強豪選手たちに囲まれもがき苦しむ日々をブログに

エンデューロレースの盲点

昨日、日本プロ野球歴代2位となる、350勝をマークした米田哲也という選手のインタビューを読んでいた。その中の文面で「現代は何年も二桁勝利を続けるような投手は少ない。その理由は何だと思いますか?」という問いに対しての返答が自転車にも通ずるのではと感じたのでブログに。
先にその返答から書くと、

「(中略)練習で100や150放ってね、ゲームで150放ろうと思ったら、そらぁ、しんどいですよ。僕ら、300放ってその半分が150やと思ってるから。キャンプで300放ると2時間ぐらいかかります。受けてくれるキャッチャーが大変や。昔はね、そうやって、へばってへばって投げておればね、きれいなフォームになるんだっちゅう教え方をされました」

という内容。
時代が時代なのである意味捉え方の問題だと思うんだけど、特に「練習で100や150放ってね、ゲームで150放ろうと思ったら、そらぁ、しんどいですよ。僕ら、300放ってその半分が150やと思ってるから。」あたりの内容は自転車そのものなのではないかと。

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意外と登るエンデューロ

例えば千葉の袖ヶ浦サーキット。
ガツンという登りが無いので自分の中では比較的フラットだと感じていたこのコース。イメージ的に栃木のもてぎサーキットの方が獲得標高は多いと感じていたがそれは間違いで、過去のレースデータを見ると2hエンデューロで80km 550m↗︎となっていた。もてぎは同じ80kmで452m↗︎なので100m程少ない。

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この550m↗︎を都内で表すと「尾根幹往復+小山田1周+V坂1本」くらい走って丁度かなという感じ。ツール・ド・おきなわで有名な普及川ダムで例えると1.6本分。2hエンデューロでこれなので、4hエンデューロになれば単純にその倍の1,100m↗︎。これは武蔵五日市駅〜都民の森までに匹敵する獲得標高となって、普及川ダムなら3.2本分。

エンデューロは基本的に周回コースなのでツール・ド・おきなわニセコの様に一撃の上りは無いものの、その小さな周回の積み重ねが結構な獲得標高を生んでいる事が分かる。

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レースの獲得標高だけでは足りない

そこで前述のインタビュー。

「練習で100や150放ってね、ゲームで150放ろうと思ったら、そらぁ、しんどいですよ。僕ら、300放ってその半分が150やと思ってるから。」

これを(強引に)自転車へ置き換えると

「練習で1,000mや1,500m登ってね、レースで1,500m登ろうと思ったら、そらぁ、しんどいですよ。僕ら、3,000m登ってその半分が1,500mやと思ってるから。」

という感じだろうか。
かなり強引だけど根底の趣旨は合っていると思う。要はレースと同様の数値ではなく、レースで戦うには練習からその1.5倍、あるいは2倍登っておかないと、という事。

先程も書いた様に時代が時代なので現代に当てはまるかは分からないけど、自分の中では結構腑に落ちたというか、筑波サーキット(2h 27m↗︎)や幕張(2h 10m↗︎)ではシングルに入るのにそれ以外のレースでシングルが少ないのはこの辺が影響していたのかなと。

去年までは一度の練習で350〜600mくらい、ロングでも1,000mちょいが非常に多かったので、そういった程度では袖ヶ浦の様なレースになると如実に耐性不足が出てしまうんだろう。トレーニングと違ってレースはさらにハードな状態で獲得標高を積み重ねるから、必然的にレースと同等「以上」の耐性が必要になってくる。

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ターゲットレースへの準備として

改めて考えてみると当たり前に思う事なんだけど、ターゲットレースがどのくらい登っているのかを振り返る事が今まで無かったので今回はいい機会となった。ターゲットレースに対しての1.5倍、2倍の獲得標高は何mなのかをまず知り、それを目指した練習をなるべく多く積み重ねる。それも一つのレースに向けた準備だろうし。

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自転車のトレーニングはかなりしているはずなのにレースだと結果に繋がらないという人は、もしかしたら自分の様に「そのレースの獲得標高を把握してなくて自然と耐性不足の状態で挑んでしまっている」のかも。例えばトレーニングはもっぱらサイクリングロードばかりなど。

結局どのレースでもある程度は登るんで、クリテや超どフラットなエンデューロに特化しない限りはトレーニングでも登らないといつまで経っても結果は出ない。改めて自分のトレーニングの方向性を認識させてくれたインタビュー記事だった。

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