BLACK ESCAPE

Roppongi Express所属 / 強豪選手たちに囲まれもがき苦しむ日々をブログに

ポジションの追求は実走とローラーどちらでやるべきか

f:id:satoru-itabashi:20200315171217j:image

ポジションの最適化を目指す時、実走とローラーどちらでポジションを突き詰めるべきかという話。先週あたりに実走とZwiftの違いがSNS上で議論されていたけどそれに似た内容になるのかな。今回は議論されていたパワー部分でなくポジションに焦点を。

+ + + + + + + + + +

実走とローラーでの感覚差

自分の場合、ローラーでは主に以下3つの違いをよく感じている。
1)実走に比べてハンドルが遠く感じる
2)実走に比べてサドル高が高く感じる
3)実走に比べてサドルが前下がりに感じる

感覚的な部分が多いうえにローラーによっても個人差があると思うので一概には言えないが、こういった違いをそのまま反映するならば「ローラーのポジションは間違っているんだろう」と常々思っている。

少し前まではローラー用に別の一台をセットしていたのでそれぞれのポジションで合わせとけば良かったんだけど、今は一台で実走とローラーを掛け持ちしているのでこういった誤差を感じる様になった。

特に梅雨の時期など、ローラー機会が連日続く季節は日々この違和感を感じる事となるのでそのままポジションを変更したくなる事も多い。

自分の様に実走とローラーで一台のバイクを併用していると唐突にポジション沼へはまる事がある。考えてみれば単純な話なんだけど、やはり実走とローラーでの感覚がかなり違うというのが大きな要因なのではないか。

ローラーに合わせてポジションをいじると実走で違和感を感じ、実走に合わせてポジションに手を加えると今度はローラーで違和感を感じる。

結局それぞれが同じポジションでは成り立たないという事を意味していると思っていて、ある日突然始まるポジション沼の現象は案外そういった環境から生まれてくるのかもしれない。なのでいつしか、自分はローラー上の感覚でポジションを変えることは一切しなくなった。

+ + + + + + + + + +

ダンシングは別の生き物

ポジションだけでなく実走とローラー最大の違いはダンシングにある。ローラーではバイクを横に振れないうえ、バイク自体の角度も変わらない分(Kickr以外)どうしてもハンドル荷重が強くなってしまったり。

もしローラーに合わせてステムの長さや角度を変えたらどうなるか?を痛感したのが去年。実走で感覚の良かった従来のステム長がローラーで短いと感じて+10mmに変更、そのまま翌日のロングに出かけたら肩の張りと腰の痛みがとんでもない事になった。

ローラー上のダンシングでは+10mmの方が間違いなく合っていたのだけど、結局その感覚は実走とまるで別物だったのでそのステムも今やお蔵入りになっている。もし自分がZwift職人に切り替えるなら今度はそのステムの出番だ。

+ + + + + + + + + +

ターゲットレースはどこにあるか

前置きがやたら長くなってしまったが「ポジションをどの基準で突き詰めるか?」と考えた際、結局はターゲットレースが実走で行われるものである以上はポジションも実走で突き詰めたものでなければ意味が無いと思う様になった。

反対に言えばZwiftレースに特化している人は実走に合わせたポジションにあまり意味はなく、あくまでローラー上でのポジションを突き詰める必要があるんだろうと。

実走とローラー(zwift)で出力の出し方は違うと多くの選手が語っている現在、自分の様に実走でのレースをターゲットとしている人がローラー上でポジションを突き詰めてもあまり効果的ではないと思う。

「出力を出し続ける事」を目的とするローラーに比べ、実走のレースは「出力をいかに抑えるか」の方が重要になってくるので
A)アップライトになるがパワーは出しやすい
B)パワーは若干低くなるがエアロが維持しやすい
という2択があった際にどちらを優先すべきかは自然と明白になってくる。

ローラーでは空力が一切関係ないので(A)の方が良いだろうけど、実際のレースでは(B)の方が適している。ターゲットレースがZwift一本ならもちろん(A)が正解。そう考えると、やはりターゲットレースと同じ環境でポジションを突き詰める方が正解なんだろう。

+ + + + + + + + + +

正解と根拠はどこにもない

これだけ長文を書いて答えを出せた気になっても、結局のところポジションの探求は難しい。これからもポジションと向き合う長い旅は永遠に続くんだろうし、ローラーが実走のに全く当てはまらないという根拠もない。

ついでに「フィッティングサービスって何で実走を一度も見ないでポジションを出そうとするんだ?」という新たな疑問まで生まれてきてしまった。これ以上は長くなり過ぎる予感しか無いのでこれはまた別の日にしよう。

それにしてもこのブログをまとめるのに計3時間。もはやこの時間をトレーニングに使った方が確実に強くなれたのでは。

+ + + + + + + + + +