BLACK ESCAPE

Roppongi Express所属 / 強豪選手たちに囲まれもがき苦しむ日々をブログに

サボりたい日との戦い方

一年に250〜300日。
ホビーレースといえど、レースで勝ちたいと思った瞬間からほとんどの人がこれだけの日数(もしくはそれ以上)を自転車と向き合うことになる。日々1h〜1.5h、週末入れて週10時間。一般的なホビーレーサーがトレーニングに費やす時間はだいたいこれくらいに収まるだろうか。

年間で520時間。もっと細かくすると丸22日。実際に自転車に乗っている日数は一ヶ月にも満たないので家族から理解されない人にとっては「年に22日くらい好きにさせろ」という立派な言い分として使えるかもしれない。

しかしエンデュランス系のスポーツは日々の蓄積が重要になるので、現実はその520時間を細分化して多くの日数に落とし込んでいく必要がある。そこで唐突に訪れるモチベーションが皆無の日。

物理的な理由、例えばトレーニングプランの中での積極的な休養や単純にトレーニングが不可能という日であれば良いのだが、何も理由が無い、いわゆる「めんどくさくてサボりたい日」というのが必ず出てくる。いや、日々自転車に乗りたくてたまならい人はそういうのが無いのかもしれないけど。

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自分の場合はこの理由付けの無いサボり欲求が人より多い。たぶん年間100日はこの犬みたいな精神状態。

もともとエンデュランススポーツが好きでは無い分、トレーニング時間はやたら長いし長時間疲れるしで積極的なモチベーションを全く兼ね備えておらず、究極の願望を言うならば3ヶ月で極限まで仕上げられる永瀬さんの様になりたいと常々思っている。

しかし現実は残酷なので自分はもれなくその体質ではないし、トレーニングをサボった日は「なんでサボった?だから弱いんでしょ?」という悪魔の言葉に攻め続けられて不穏な夜を過ごす事にもなる。ログに余計な空白の日が出来るのもストレス。

でもその反面、レースに出てみたら楽しいし、トレーニングが終わった後の充実感はあるしでなんだかんだ日々続いているというのもある。こんな状態でも乗り始めれば楽しいと思えるのが自転車の不思議な魅力か。

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10分 10w

前置きが長くなってしまったけどこの「10分 10w」が自分の中で色々と解決してくれた。「サボり欲求が出る日をどうやって克服するか」を真剣に考えたのが約一年前。その結果として気楽に始めた方法なのだけどこれが何かと功を奏している。

モチベーションが上がらない日は「10分 10w」。
これに尽きる。

まあ10wというのは極端な表現なんだけど、とにかく頑張らなくて良いから10分は乗ろうというのが最重要。ハードルを限りなく下げる事で自転車に乗るまでの障壁をほぼ0にする。

ここからがまた不思議なもので、10分乗るとその後は普通に乗れてしまうという。「せっかく外に出たし」「体も温まってきたし」など体のいい思考が働いて気付けば50kmくらい乗っていたりして、結局サボり欲求最大の敵は「乗り始めるまでの1分」だけだった事に気付いた。

もっと言えば外に出なくてもローラーに10分乗るだけでも良い。10分経ってもまだ、本当に全くやる気が起きない日はそのまま10分で辞めてしまえば良い。自分の場合、実際に10分で終えたのはこの一年で一度しか無かったけど。あとは急な大雨で引き返したのが一度。

そして一度走り始めるとどんなに低強度で走ろうと思っても抑えられないのがロード乗りの性。「ここの坂だけ頑張ってみよう」とか「この平坦だけ踏んでみよう」とかその繰り返しで結局はいいトレーニングになったりする。

最初は10分 10wで良いと思っていたのに最後は良い感じに疲れて終われる。乗り始めの障壁を下げまくるという単純な方法ながら、この意識で乗り始める様になってからは余計なサボり日が激減して必然的に月間走行距離も伸びた。まさに良い事尽くし。

モチベーション上がらない日は無理せず休養日にする人もいるだろうし、その辺りは人それぞれのやり方なのでなんとも言えないけれど、乗れば乗るだけ強くなると言われる自転車競技で可能な限りサボり日を減らしたいと思っていた自分の様なタイプにはかなりマッチする解決方法だと思う。

なのでトレーニングをサボりたいという欲求と戦い、その戦いに負け込んでいる人はぜひお試しあれ。今日はトレーニングではなくサイクリングにしよう。この意識だけでも乗り出しは格段に楽になるはず。

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