BLACK ESCAPE

Roppongi Express所属 / 強豪選手たちに囲まれもがき苦しむ日々をブログに

ツール・ド・おきなわ前 10月の方針

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8月〜9月にかけて、沖縄前の10月という重要な時期をどう過ごそうかずっと考えてきた。高岡さんが毎年目指す3,000kmという距離を目標とするのか、または自分にあった距離に落とし込んでいくのか、もしくはそれ以外の全く別の部分に基準を置くのか。

210kmクラスを始め、各カテゴリで一桁順位にいる選手のブログを見ていると沖縄前の調整における選択肢は色々と存在する。去年の自分は距離(1,800km)に基準を置いていた。3,000km走れる体力は到底なかったので距離を自分に合わせて書き換え、神戸と東京を何度も行き来していた当時の状況を考えるとそれが一番分かりやすく、目指しやすかったから。

結論から言うと今年は
150TSS/日 = 4,650TSS
を1つの基準とする事にした。この数字を達成する為に3,000kmという距離が必要だったのならそれで良いし、2,000km台で達成したのならそれでも良い。トレーニングコースに坂が増えれば自然と距離は減るがTSSを中心として考えながら、あくまで距離は「最終的な結果」として吐き出された数字と捉える。

この基準にたどり着くまでには色々と過程があったのだけど、たぶん今年の自分は3,000kmという距離を目標にした「数字自体」は達成できると思う。落車に巻き込まれた結果の機材トラブルだったとはいえ去年の惨敗は自分の中で一年間引きづる程不甲斐ないものだったし、そういった思いをしない為に必要な基準ならそこに向き合う為の精神力も体力も去年に比べて比較にならない程備わってきたと思っている。年間通してのトレーニングも昨年に比べて1.5倍以上、自転車と向き合う時間も増えた。

ただ、もし距離を目安にしてしまうと必ずどこかで「負荷0ローラーをぶん回して距離の荒稼ぎに走ってしまうだろう」という自分に対する不信感も感じていた。不信感というより疲労がピークに来た時の妥協に近いか。もしこれを繰り返す様になってしまえば距離は稼げても絶対的に負荷が足らず、本来のトレーニングとして成り立たないだろうと。高岡さんや去年同じく3,000km走っていたキクの様に、甘えに打ち勝つ精神力が自分にも確立されていれば良いものの、自分はどこかで必ず甘えが出るという前提で目標を考える必要があった。その結果はじき出されたのが150TSS/日。この数字設定にはきちんと意味がある。

去年の10月に高岡さんが3,000kmを走ったデータが
3,003km:4,661TSS(150TSS/日)
同じく、140kmで3位と大躍進を遂げたキクのデータが
3,123km:4,569TSS(147TSS/日)
と、若干の差はあれどTSSがほぼ同じ数値に落ち着いている。そしてこれは某強豪選手の3,000km走ったデータにも共通していた。

高岡さんとキクのFTPは違うので厳密には完全一致では無いにしろ、それぞれのレベルで同じ位の疲労とトレーニングボリュームを蓄積させている事になり、この150TSSというのが一つの基準にもなってくるのではないかと感じた瞬間があった。ちなみにもっと最新版で言えば、先月に高岡さんが走った3,000kmのデータも
3,014km:4,614TSS(149TSS/日)
となっている。

仮に自分が「3,000km」を「ローラーに頼らず」目指せば確実に180TSS/日まで跳ね上がってしまうので、こうなると10月のどこかで必ずパンクか故障が訪れもはやレースまで耐えきれないという自体に陥ってしまう。その故障リスクを抑えながらも追い込める限界点の基準として、上記の共通項からTSSに目標を置く事とした。

最終的にこの基準が自分に合っているかも分からないし、そもそも独自な理論なので正解・不正解も無いのだろうけど、150TSS/日というのは決して甘えながら過ごして達成出来るものではないから必然的に距離も乗る様になるし、今年はこの方法を信じて10月のトレーニングを重ねようと思っている。ゆっくりロングを走って150TSSもあり、短時間高強度で150TSSもあり、ローラーだけで150TSSもあり。果たしてこの調整法がうまくいくのか、それはレース当日までのお楽しみ。いずれにせよ、今月はしっかり自転車に乗り込もう。

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